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残れば勝ちというわけではない
浦河町でいうと20年で人口は3割減って、建設業の就業者数は6割減っている。人口よりも職人の減りの方が圧倒的に早い。相対的に見ると仕事量は倍になっている。だから忙しい。ゆえに業者側から見ると困っていない。逆にお客さん側からみるとすぐに対応してもらえない点で困っている人が増えている。困っている側から見ればすぐに来てくれないのは不安である。不安であるから他に頼む。しかし、他と言っても町内業者はどこも似たり寄ったり(協力業者も被っていたりするので)であるから、町外となる。町外と言っても市域の業者となる。市までの各まちも似たり寄ったりであるからだ。
市域から来る業者はすぐは来てくれない。来てくれる場合は勝手な印象であるが、仕事に難がある場合が多い。なにかしらの縁がある業者であれば急いで駆けつけてくれるのだろうけど、大抵仕事がギュウギュウに入っている。なぜなら全国的に建設業の就業者は減っているからだ。毎年8~9万人減っている。
そのうえ北海道は建設(開発)ラッシュでもある。日高地方でも高規格道路。十勝の南側においても同様に高規格道路が延伸している。また、千歳においては半導体のラピダスに関する建設。最大稼働時には4000人が関係工事では必要とのことで工事関係者のための宿泊や分場・開発が盛んに計画され動き始めている。北広島ではボールパーク周辺、札幌は駅および中心街の再開発。道央・道南地区では新幹線の延伸とニセコエリアの開発。これら工事においてどこも忙しい。北海道から道外へ出て行っている数も東日本大震災以降多く、震災復興からパラ・オリ事業でいったままというのも聞こえる。
忙しいのにすぐ来れるのは、暇であり、暇であるのはなにかしら問題があるからと考える。だから不具合になりやすい。困りごとを解決してもらうはずが困りごとが拗れて、より悪くなるケースを見聞きする。なぜ起こるのか?それは責任がないから。縁もゆかりもない人が「わざわざ」きて仕事をする。そこに職人の矜持的なものがあれば絶対に起こりえないのだが、そうではないエセ職人はたくさん存在する。その類いの職人は一つの仕事をこなす事で報酬を得られたらそれでよい。自分が利益を得られる額でよい。矜持・誇り的なものや「次」につなぐ事も考えていない。いうなれば「今だけ、金だけ、俺だけ」である。
そんな業者に任せられない。と地域の業者としては思う。拗れたものを直すのはより大変であり、お客さんがとても困る。であるので地域内で完結できるように立ち回る。地域の業者は「顔の見える」存在でもある。親戚関係や子どもとのつながり、友人の知人であったりとコミニュティが密接に絡み合っている。ゆえに責任ある仕事をしなくては次がなくなる。だから地元に頼む。という流れとなる。
だからなんとか生き残っていけば仕事がなくなることはない。安泰だ。と思っている地域の職人が多く感じる。それゆえ向上心がない。勉強をしない。今までの通りでよい。という感覚があふれている職人が多いと感じる。しかし、それでは供給量が今以上に減っていくことが明白である。供給量が減るということは困りごとが増えるという事。言いかえると生活がしにくくなる。生活がしにくくなると人口の減りは早くなる。子どもがいればほとんどが一度は外へ出る。この地域には学校は高校までしかない。高校生の進学率は80%以上であり、残ったうち10%は地域外へ就職であるので、90%が外へ出る。そのまま就職して暮らしていたら、定年など節目で子供のところへ行くという選択が多くなる。実際60代の転出は多い。
となると供給量不足をそのままにすると仕事はなくなる。だから供給量不足を打開しなくてはいけないのだと思う。それには学びと変化が必要である。
現状維持では生き残ることはできない。
そう思う!
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