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学びの旅〜新住協総会・香川1〜

10月3日〜4日で行われた一般社団法人 新木造住宅技術研究協議会 2024年 第10回 通常総会及び全国研修会(新住協総会)に先立って、10月2日は高松で建築巡りをしました。
香川県庁と旧香川体育館の2箇所を見てきました。どちらも丹下健三の設計。
香川県庁舎(以下:庁舎)の設計を丹下健三に依頼したのは、当時の金子正則知事だ。イサム・ノグチや猪熊弦一郎と親交のあった金子知事は、建築やデザインへの造詣が深い人物。特に旧制中学校の先輩である猪熊を慕っており、県庁の設計者探しを相談した。そして猪熊から紹介されたのが丹下だった。
設計にあたって、金子知事は丹下に7つの条件を示した。
①香川の気候や風土、環境に合うこと
②香川の県庁としてふさわしい建物であること
③民主主義時代の県庁としてふさわしいこと
④資材は許される限り県内産を活用すること
⑤高松の都市計画上プラスになること
⑥既存の建物と融合し、無駄にならないこと
⑦予算内に収めること
興味深いのは、オーダーには抽象的なものと具体的なものが混在していること。なかでも予算についてはとても具体的だ。というのも庁舎建築予算は当時のお金で5億円という巨費。予算オーバーは絶対に認められない状況にあったためと考えられる。
こうした条件をクリアしながら、丹下が導き出したコンセプトは、モダニズム建築による「開かれた庁舎」。庁舎への出入りがしやすいピロティ、開放感満点の南庭が、それを表現している。「またエレベーター等の共用設備や構造体を建物の中心部に配置するセンター・コア形式(以下:コア・システム)を日本で初めて導入し、外周部分は壁がない開放的な空間としたのも特徴の一つ」。
実際に体感するとピロティとロビーそれと南庭の空間が心地よい。開かれた庁舎という部分は1958年に竣工なので66年たった今でも感じます。
また、旧県立体育館は別名舟形体育館という体育館です。体育館は1964年に完成。ケーブルを張って屋根を支える構造で、50~60年代に流行したモダニズム建築の代表作の一つだ。丹下が同年の東京五輪のために設計した国立代々木競技場(東京都渋谷区)と同時期につくられ、「兄弟作」と称される。
実際目の当たりにしてスゴイ!当時だからできたとも言える。今後このようなユニークな建物を建築できるとは思えないゆえに解体ではなく、修繕・改修を切に望みます。
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