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ピカピカしているのは良い事?
真新しいモノはピカピカしていて、経年と共に色あせてピカピカしなくなる。だからピカピカするように日常的に拭いてふいてキレイを保つ。とても良い事です。手をかけていくことは愛情がこもってゆき愛着がわきます。
しかし経年と共に色あせてゆく事は悪いことでしょうか?
元来ピカピカするって年月を経たものだったのですが、高度経済成長と共にプラスチックやビニール製品が主流となりピカピカするようになってしまった。そういったものを新建材と言っています。外壁のサイディング等も一緒でドンドン塗装や仕上げの方法が特殊化され、現在では大型インクジェットプリンターでの幾重にも重ねた立体塗装などで表情を出しています。最後にトップコートで耐候性や耐久性をあげるクリアの仕上げをするのでピカピカです。しかし、浦河や様似、えりもにおける海沿いであると風が強い(よく瞬間最大風速が30m/sを越えます!函館から仕事で来られた方も「めちゃめちゃ風強いな!」と驚かれていました。そのくらいこの地域は風が強い。)ので荒天時に砂や塩が飛んでくるためブラスト(ショットブラストとも言い、小さく凸凹をつくり粗くする加工のこと)されます。そうすると色味はくすんできます。そしてトップコートが薄くなると徐々に塗装がはげてきます。そうなると一度全面塗装となります。しかし、同様にブラストされると次にはそう取替え。おおよそ500万円かかります。しかしそれは建材だけの話で足場とシーリングを取り換えるのがセットとなりプラス100万円。と、お金がかかります!と建てた時には説明していてもその頃にちょうど子供にお金がかかる時期なので、なかなか貯めておけないものです。
だから最近では木板での外壁を選択してもらうように説明しています。その説明の中で言うのは、色は変わるという事。徐々に灰色へ変化します。それは経年劣化ではなく経年変化と言っています。劣化はせずにあたりまえな事。
この地域では昆布漁が昔からおこなわれています。昆布を乾かしたものを保管し、加工(切り揃えて大きさ、厚さごとに束ねる)をおこなう小屋があります。その小屋はバラックですが手入れなぞせずに50年はそこに存在しています。その壁は灰色です。
同様に山へ行くと馬小屋や車庫なども灰色となっているものがあります。
キレイに灰色になるには不朽菌が繁殖しないように乾燥状態を保つ事が必須なのできっちりと通気が取れるように下地をしています。毎回少しずつイエづくりも変化しています。それは学習しているから。知った事で有益な事はやった方がいい。知ってやらないのと知らずにやっていないのでは後悔につながります。知る努力をしないというのもいけないと思います。コロナ禍以降とても情報を得る機会は増えました。情報を得ても使わなくては意味がない。だから変化していくのです。
必要な変化は良いことであり、劣化は修繕やメンテナンスをすることで機能や美観を保つことにつながります。たとえばこれなんかはどうかんじますか?
築50年以上の階段手すりの上部です。よく手をかける場所なでツルツルとしてにぶい光沢がでています。下や横の部分と大きく異なります。このようなピカピカはとても品があります。コレは経年良化です。
このような経年良化するモノを品よく使ってイエづくりをすることで長く愛されるイエとなると感じます。長く愛されると長く使ってもらえる。それは環境にも経済的にもとても良いこと、エシカルです。
そんなイエづくり一緒にしませんか?
浦河町から
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