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就職氷河期世代からみる人手不足から人手不在(1)
就職氷河期は、長く続いた景気の冷え込みに例えて名付けられました。1993年頃から就職難が社会問題となり、雑誌「就職ジャーナル」によって名付けられたことがきっかけです。翌1994年の「新語・流行語大賞」の審査員特選造語賞を受賞したことで、広く知られるようになりました。
就職氷河期の中でも、金融不安やITバブルの崩壊によってさらに採用状況が悪化し、就職活動が絶望的になった1990年代後半から2000年前半を、「超氷河期」と呼ぶこともあります。
就職氷河期世代とは1970年〜1984年に生まれた人達を指し、この世代は別名「ロストジェネレーション世代」とも呼ばれます。
ロストジェネレーションは失われた時代という意味で、略して「ロスジェネ世代」と呼ばれることもあります。その後の社会人人生を、大きく左右することの多い新卒採用でつまずくケースが多く、あらゆるものを失ったことを例えた名称です。
僕自身1977年生まれで1998年に就職をしている正にロスジェネ世代です。1997年には山一証券や北海道拓殖銀行(拓銀)が経営破たんをしており、景気は本当に冷え込んでいた。就活においても学校へ来る企業数が約400社から約200社まで一気に減った。
就職後も建設業においては毎年公共事業費が前年度から4%減を4~5年していたと思う。新卒採用はかなり減らされ、僕ら世代のあとは数名しか取らない時代が続いた。僕らは8名であったが、5年で4名となり、10年で2人となった。12年目で僕も辞めて1人となっている。だから後輩がつかないで終わった。
このロスジェネ世代の不遇というのは昨今でも変わらない。
日本経済新聞(電子版)2024年8月16日の記事「氷河期世代、昇進遅く賃上げ鈍く 老後は社会保障に懸念」によると、
世界的なインフレが波及し、日本の物価上昇率はこの2年あまり2%を上回って推移している。物価高が促すかたちで賃金も上がり始めた。厚生労働省の毎月勤労統計で、手当てなどを含む現金給与総額(名目賃金)は2022年1月以降、前年同月比でプラスが続く。
皆が賃上げの恩恵を受けているわけではない。偏りは世代間で目につく。厚労省の賃金構造基本統計調査によると、23年の20~30代の正社員の給与は10年前の同世代より1万円あまり高い。40代後半は1千円強しか増えていない。50代前半はむしろ減った。
と、書かれているように減っている。
昨今では人手不足が叫ばれている。それは少子化が言われて久しく人口学の第一人者、金子隆一・明治大学特任教授の説明を目にしました
「日本の人口の減り方が著しいのは、1970年代以降の出生率があまりに低いレベルだったからです。当時、高学歴化、女性の社会進出、産業構造のホワイトカラー化などが連鎖し、家族を持つ負担感が大きくなって晩婚化、晩産化が進みました。やがて結婚をしない人、結婚しても多くは子どもを持たない人が増え、出生率が人口維持に必要な『人口置換水準』を大きく割り込んで現在の状況に至っています」
「日本の少子化が特に深刻になった背景には、戦後日本が極端に経済活動優先の社会をつくったことがあると思います。一方で人々の生を支える家事・育児・介護などのケアの活動は個人的な領域の事柄として公から切り離され、低く扱われてきました。そして男女の役割分業という建て付けのなかで、女性にばかりケアの負担を強いてきた構図があったわけです」
(出典:朝日新聞デジタル 2024年7月3日 出生率はいわば「住民投票」より)
更には農村から都市へ移動はずっとおこなわれてきた。団塊の世代の集団就職から変わらず未だに都市に流れている。ゆえに農村では過疎化、都市部では過密化が更に加速している。特に農村においては少子化により「消滅可能性自治体マップ」なるものが発表されて話題となっていました。これはコロナ禍を経ても変わらず、農村から都市へという流れは変わらない。それは言いかえるとエッセンシャルワーカーからホワイトカラーへが進められてきた。ゆえに農村部から人が移動するだけでなく、エッセンシャルワーカーを減らすことを続けてきた。
少子高齢化による生産年齢人口の減少とともにエッシェンシャルワーカーの割合を約40年減らしてきた中でこの現在の人手不足は予測できるが、これまでは団塊の世代とそのジュニアがまだ現存していたここ30年においては実感がわかないから考えずに来た。団塊の世代が70歳を超え始めて、至る所で身に降りかかってきたことでやっと動き出し始めたのが2020年以降と感じます。
この状況下で市域から車で2時間離れた浦河という地域に「わざわざ」エッセンシャルワーカーを維持させるかを考える必要がある。浦河だけでなく、地方の地域にとっては同じ問題を抱えている。全国どこでも生産年齢人口が減ってかつエッシェンシャルワーカーがたりない中でより端から表層化すると考えるので、「今」考えている構想を数回に分けて書いていきます。
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