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本からの学び〜日曜日の住居学(2回目)〜
最近は実務(見積り、請求書)ばかりで現場からとか、新しい視点が乏しいので自分のイエづくりの(職として向かう旗としての)原点である『日曜日の住居学』について再読。再考。
住宅の業者について
住宅を設計し始める前から、住宅または建築がフィーするものとは思っていなかった。(中略)
ひとり一人、まったく異なる個性とさまざまな条件(家族の生き方や生活経験、哲学、慣習から始まって、コスト、敷地、法的制度、好み、持ち物、はては便器の水の流れ方からセックスの趣味にいたるまで)を根掘り葉掘りほじくり返して聞き込み、もちろん話してくれない大人の部分に関しては周辺の話題からそれとなく察してあげ、さて限られた予算の中でそうした家族という人間関係のために、どんな家が可能であるかと、平均して千時間近い時間を費やして図面をまとめ、さて工事が始まれば施工者を、ときにはおどかし、ときにはおだて、一緒に板を削ってみせてご機嫌取りし、やっと家ができあがれば、蛇口がよくしまらないの、隣の家より小さく見えるの、棚がどうのと、あまり本質と関係ないところで施主夫人にいびられ、挙げ句の果てに経理から、またあの住宅は赤字でしたーという報告を受けねばならない人間としては、その面倒くさい住宅をつくることによって利益をあげようという住宅産業などというものが絶対信じられないのは当然だといえよう。(中略)
いわば一匹狼的な住宅供給者(建築設計事務所、大工、工務店)たちに対して、ここ十年(この本が書かれたのは1984年)で住宅産業と名乗る大手資本が進出し始めた。いわく大手商社、建設会社、鉄鋼業、不動産業、造船業、自動車産業、建材業など、日本の大手資本の中で参加しないものから勘定した方が早いくらいだろう。
彼らは一匹狼的な住宅供給者たちの未組織性と、逆に大量の潜在・顕在住宅需要があることに気づいた。さて商売の場をまた一つ発見したというわけである。
手慣れたビジネス指向でシステマチックに取り組み、計数的に整理し、もうかるとみて一斉にかれらは乗り出してきた。年間需要量の測定とそれに対する供給システム、省力化の方向など、それは手慣れたものであって、住宅という建築物を数だけ建てるという役割は見事に果たしつつあるといってよい。(中略)
経験的には単純作業の繰り返しだから、省力化、つまり手を抜く方法にだけは精通して、時々地震だったり、住民運動が激化するたびに指摘されるのだが、買い手の方もどうせ安物買ったのだし、ついのすみかではないとはじめから諦めているのだから楽だと、ご存じのとおりの繁盛ぶり。
宮脇節炸裂!笑
40年も前からわかっていた事。変わらない。見ないふり。三島由紀夫のいう「空っぽ」や丸山眞男のいう「蛸壺」、山本七平のいう「空気の支配」だなぁと思う。
イエづくりを「帰る場所づくり」としているのはココから来ている。「住まう」に基づいたイエづくり。そして単純作業とはさせないイエづくりをしています。
作業とは言われたことをすることです。仕事は考えてすること。やりがい(志)を持っておこなう志事へとなるように組織化とミッション・ビジョン・バリューを定めて皆で同じ方向へ歩んでいく事をしています。
更にシンカ(進化・深化・新化)を絶えず続けています。5年前とは全く違う2年前とも変わっていると思います。常に軸を持ってシンカし続けています。軸はエシカル=五方良しです。
「今」だけでなく「将来」においても善きイエ。そのためには「住まう」にフォーカスして可変性のあるイエづくりをしています。それは善き地域づくりにつながるとも考えています。
一緒にイエづくりからまちづくりしませんか?
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