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人口減少と高齢化が引き起こす採用難
今日こんなニュースが流れていました。
ウチも御多分に洩れず喫緊の課題は採用。人手不足解消が最も問題解決に直結している。
8月30日に人材開発センターにおけるセミナーにて話させてもらった内容でも触れていたので今回は『ひと』についてを!
浦河においては2000年から2020年において人口は約3割減っているが、職人(建設就業者数)は約6割減っている。従って相対的には仕事量は倍に増えている。
肌感覚的に忙しさは地域内どこの建設会社を見ていても一応に感じており、数字を確認するとより確信できる。仕事が増えているのは単なる供給量不足だけではなく、ちょうどメンテナンスの時期と重なっている点にもある。
浦河町の大通りと言われる旧中心街は道路の拡幅によるまちなみを統一するという目的と諸官庁を移動して再開発をするという目的をもって25年〜30年ほど前に行われました。その大通りの再開発と同時期に現在は住宅地域となっている向が丘と言われる地域に家が立ち始めてきました。元々腐葉土が堆積している軟弱な土地。35年以上前では見渡す限りでの家はポツンポツンと数件しかなく、葦(よし)が鬱蒼と広がっていたと記憶しています。それが現在では家が密集している住宅地域となっており、その頃の風景を知らない世代も多く家を構えている。
ウチのスタッフはこの地域(浦河を中心に様似、新ひだか)で生まれ育った人で構成されています。だから「昔はココに沼があった」「ココは小さい頃によく山崩れを起こしてた」などを知っています。その知識はイエづくりに大変活かされます。地下水位が高いので水処理が必要であるとか、土止めが必要である事を事前に予測できます。
そんな事を知っているスタッフは年々減って来ており、そのスタッフの知識をすべて書き出すとかで残しておきたいが難しい。こんな事について話してと言って話してもらうよりもその場面毎にエピソードと共に出てくる事が多い。『おもいがけず』出てくる事がとてもピンポイントに重要な事が多い。だから色々な場面で大切な事を教えてもらっている。それを3〜5人のパーティで動いているので数人以上で聞いているのでその話を誰かしらが覚えて、次の機会でまた繰り返し話す。そのような伝承が日常行われている。
現在ウチは9人の職人と僕と取締役工事部長を含め4人の職員、13名で構成されているが60歳以上は7名。うち65歳以上が6名である。であるので5年で6名いなくなると考えて行動しなくてはいけない。その間に残るスタッフはエピソードも含め知識・技術を伝承する必要がある。ひとりの知識・技術をひとりではなく資質としての強みに従って受け継ぐことが早いと考え、キャリアパスとしての人材育成制度と1on1ミーティングなどを構築して仕組み化を図りながら進めている現状である。
建設業全体の有効求人倍率は2022年平均で6.53倍(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」よりヒューマンリソシアが作成)。浦河という立地においては採用はほぼ移住となる。建設にたずさわった事がある中途採用においては前述のように人口減よりも職人の減りが早い。それは高齢化が進んでいるためである。現在50代が極端に少ない。それはバブルとその後の就職氷河期によるものと推測している。
僕の10個上だと現在56歳。バブル真っ盛り入社組である。そこから数年はバブル崩壊の兆しが見えつつもバブル期として売り手市場であったが1997年の山一証券や拓銀の破綻により就職氷河期が訪れた。この一気に不景気と建設業においては公共工事費の縮小により企業は採用を減らしていった。元々新卒3年の離職率が30%あった業界であるのに新卒の人数をかなり減らすことで僕ら世代はかなり就職が難しい世代であったため、下が5〜6年いないというのはザラだった。そんな状況下で少し上のバブル世代においては下からの突き上げは少なく、経験を積んでそれなりにポジションを得た状況で地元に戻るにはそれ相当の覚悟が必要であると想像できる。故にその世代の後継者が少ない。
このような状況下において、採用に取り組むことが浦河町の建設業界の存在意義にとって必要不可欠です。地域に根ざした建設業は地域の生活に欠かせない存在であると認識してもらい、自らも認識する必要があります。建設(土木)においては公共インフラを整備・更新している事や災害時の復旧は地元の業者がいなくてはまったく細部は進まない事であったり、建築においては日々の生活において密接に関係しています。例えば水道が凍結でパンクした時、例えば強風で屋根から雨漏りした時など生活に直結した困りごとについては地元の業者がいなくては緊急対応できません。だからこそ自信の仕事の意義や意味を知る事が大切になってきます。各会社や集まり(協会や組合など)で経済者層がしっかりと言っていくことが大事なのです。それによって今現在働いている人が心から「この仕事は良い」と言えるようになる事が採用につながる。ウチではそこにつながるような行動をし続けている。
しかし一零細企業がやっていてもなかなか見てもらえない。だから地域の建設業が採用に重点を置き、若手職人の育成を行い、受け継がれた技術や知識が失われることのないようにすることが地域に根付いた建設業界の発展から地域に貢献することができるものと考えます!そして地域で職人を育てるという姿を認識してもらえる事が【点】ではなく【面】で取り組みの情報を届けたい人へと届ける事ができるのだと思います。また、地域もより良くできるという相乗効果が望めるのでやらない理由はない!
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