『チ。』という漫画を知っていますか？僕は十数年ぶりに発売日が待ち遠しい漫画でした。昨年最終回を迎えて終わっています。全8巻。この漫画は地動説の話なんですが「あり方」がモチーフであると捉えています。モチーフとは表現の動機・キッカケとなった中心的な思想や想いのことです。あり方とはある物事の当然そうでなければならないような形や状態。物事の正しい存在の仕方。ありさま。です。本質的な「あり方」。自分自身とは？を説いていると考えます。

あなた方が相手にしているのは僕じゃない。異端者でもない。ある種の想像力であり好奇心であり逸脱で他者で外部で畢竟（ひっきょう：結局という意）、それは知性だ。あれは流行り病のように増殖する。宿主さえ制御不能だ。

第1集の中で語られる言葉。世界はチョロいと上手く合理的に生きてきた少年が異端児として問われる場面で語る言葉。この言葉にとても惹かれて一気に取り込まれた。「知性は増殖する」は僕自身が体験してきたモノを言語化してもらった！と感動した。僕には興味を持つととても「知識」として取り込みたくなる性質がある。雑誌や書籍によってドンドン見識を広め、その後体験をしてゆく。その体験から自分の血肉へとしてく。血肉化されると自分の言葉で語れるようになる。この「知性の増殖」はどこから生まれるのか？

あの人のくれた感動は今も消えない。たぶん感動は寿命の長さより大切なモノだと思う。だからこの場は、僕の命にかえてでも、この感動を生き残らす。そんなのを、愛とも言えそうです。

この言葉に現されています。感動は人それぞれです。それを分けるというかヒモづけるのは【経験】によるもので、知ることと体感することである。【経験】の中で感動する理由は自身の中にある。自身の中にある理由を見つける事、言語化することをしたくなるのが「知性」です。似た言葉で「知恵」「知識」があります。それぞれの意味としては、

• 知性：物事を正しく理解し判断できる能力
• 知恵：今まで覚えてきたことを生かして物事を正しく判断したり的確に処理する能力
• 知識：今まで覚えてきたこと

従って、【知識】を増やす事で「知恵」が増えます。「知恵」を増やす事で「知性」を養える。「知性」とは負けない力であると思います。自分の頭で生き抜くための方法である。と、負けない力/橋本治（小説家・評論家）の中で書かれています。「知る」「わかる」だけで思考を止めると知性から遠ざかる。自分の頭で考え、自分の中から答えを導き出す習慣をつけることが大切である。

革新的なつながりをつくりたいなら、2つの体験をつなげたいなら、ほかの人とは違う経験をしなければなりません。

他人と同じ経験を持っているなら、つくられるつながりも同じになり、結局革新的にはなれません。だから、違う経験を積まなければならないのです。

（非常に知的な）人たちの話をたくさん耳にしますが、そこから見えてくる重要点は、聡明な人たちが、さまざまな経験から問題を解決法を思いついたり、ユニークな方法で苦境に立ち向かったりしたということなのです。

と言ったのはスティーブ・ジョブズです。人生の資産【知識】【経験】【仲間】というところから革新的な方法を導きだされる。そして『チ。』でも

きっと迷いの中に倫理がある。（中略）そこにはきっと”罪”と”救い”じゃなく”反省”と”自立”がある。そうやって苦しみを味わった知性は、いずれ十分迷う知性になる。

僕はこう書いてきて想うのは知性は「自分らしさ」です。それは自分の「あり方」であると。それを知る事、感じる事が『心と身体を豊かにする』につながります。生きてゆく中（人生）で多くの【知識】【経験】【仲間】を得る事で「自分らしさ」「あり方」を見つける事ができる。その見つける動機が感動。感動は内からでる事であるので、自分の内なる声を聞くこと。

イエづくりにおいてもヒアリングで解きほぐしているのは「自分らしさ」や「家族らしさ」。言いかえると「ライフスタイル」。それを汲み取ることこそが『今だけでなく将来においても最適解』へとつながります。それが家族の心と身体を豊かにするイエづくりです。

一緒にイエづくりしませんか？