Information

浦河で見つけた、忘れたくないもの

浦河で見つけた、忘れたくないもの

こんにちは!東京で暮らしている中国人留学生のみずです。

この夏、神馬建設のインターンシップで浦河町に1週間滞在しました。

8月14日、朝8時。

新千歳空港へ向かう途中、雨が降り始めました。イヤホンからは、宇多田ヒカルの曲が繰り返し流れていました。

窓の外を眺めながら、浦河で過ごした1週間のことを思い返していました。

半年前の私は、東京の大学院に合格できるかどうかが不安で、母にビデオ通話をかけては泣いていました。あの頃は、目の前の目標を達成することが何よりも大切だと思っていました。

でも、浦河で1週間を過ごした今、少し考え方が変わった気がします。

もちろん、夢や目標が大切でなくなったわけではありません。ただ、これまで必死に追いかけていたものが、人生のすべてではないのかもしれない。

そんなことを考えるようになりました。

東京で忘れかけていたもの

東京で暮らし始めてから、もう2年が経ちました。

便利で、刺激が多くて、何でもできる街。東京には東京の魅力があります。

でも、いつの間にか私は、何か特別なことがないと楽しめなくなっていた気がします。

ライブに行ったり、大きな音に包まれたり、勉強で自分を追い込んだり。常に何かをして、何かを達成していないと、落ち着かなくなっていました。

もともとの私は、そんな人間だっただろうか。

そう考えることもありました。

そんな私が浦河で過ごした時間は、少し不思議なものでした。

特別なことをしなくても、きれいな景色を眺めたり、誰かと話したり、ただゆっくり過ごしたりするだけで、十分に楽しい。

東京で忘れかけていた、そんな当たり前の感覚を思い出した気がします。

カメラを通して見た浦河

私はもともと、一人旅が好きです。

一人旅をするようになってから、誰かに合わせるのではなく、自分の好きな場所へ行き、自分の好きな景色を眺める楽しさを知りました。

そして、誰かに見せるためではなく、ただ自分が好きだから写真を撮るようになりました。

浦河でも、たくさん写真を撮りました。

山も、海も、何気ない道も。どこを見ても、思わずカメラを向けたくなる景色がありました。

東京では見過ごしてしまいそうな小さな風景も、浦河ではなぜか特別に見えました。

ただ、写真に写るものと、そのとき心で感じたものの間には、どうしても少しだけギャップがあります。

風の音や、その場の空気、一緒にいた人たちとの会話。そういうものは、写真だけではなかなか伝えられません。

それでも、私が見た浦河の美しさを、少しでも伝えられたらうれしいです。

ここからは、私のレンズを通して、私の心の中を少しだけ覗いてみてください。

浦河で出会った人たち

浦河の魅力は、美しい自然だけではありません。私にとって、もうひとつ忘れられないのは、ここで出会った人たちです。

滞在していたゲストハウス「まさご」では、たくさんの同世代の友達ができました。観光協会や役場でインターンをしている人、まさごでアルバイトをしている人。みんな大学生で、最初は少しぎこちなかったのに、いつの間にかすっかり仲良くなっていました。

地元の私塾の先生も、仕事の合間に私たちを観光や山登りに連れて行ってくれたり、自宅に招いて一緒に映画を観たりしてくれました。ちなみに、みんなで観たのはホラー映画『リング』。同期のさくらちゃん以外は、あまり怖がっていなかった気がします(笑)。

まさごを運営する大久保さんと山に登ったときには、「熊が出るかもしれない」と聞いてずっとドキドキしていたのに、実際に遭遇したのはなんと毒蛇。そんな出来事も、今となっては楽しい思い出です。

出会ってまだ数日しか経っていない私たちを、こんなにも自然に受け入れて、一緒に時間を過ごしてくれたことが、本当にうれしかったです。

こうして振り返ってみると、浦河での思い出の多くには、いつも誰かがいます。

美しい景色ももちろん忘れられませんが、その景色を誰と見たのか、そこで何を話して、どんなことで笑ったのか。そういう何気ないことのほうが、案外ずっと心に残るのかもしれません。

たった1週間、でも忘れられない1週間

浦河で過ごしたのは、たった1週間でした。

振り返ってみれば、長い時間ではありません。

それなのに、帰る頃には、もう少しここにいたいと思っていました。

行ってみたい場所も、もう一度会いたい人も、まだまだたくさんいます。

日本には「一期一会」という言葉があります。中国でもよく知られている言葉ですが、正直、これまではどこか遠い、きれいな言葉として受け止めていた気がします。

でも、今回浦河で出会った人たちと別れるとき、初めてその意味を実感したように思いました。

偶然同じ時期に、同じ町に集まり、たった1週間を一緒に過ごしたこと。考えてみれば、それだけでも不思議な縁です。

これからはそれぞれの日常に戻り、違う場所で、違う時間を過ごしていきます。距離や時間の関係で、もう会う機会がない人もいるかもしれません。

それでも、あの夏、浦河で一緒に笑って過ごした時間があったことは変わりません。

たとえもう会えなかったとしても、私はきっと、この1週間のことをずっと覚えていると思います。

これまでの一人旅では、自分の好きな景色を見つけたり、自分自身と向き合ったりする楽しさを知りました。

でも今回の浦河での経験は、旅にもうひとつの楽しさを教えてくれました。

知らない場所へ行き、知らない人と出会い、その人たちの日常に少しだけ触れること。

そして、そこでの出会いを通して、自分自身のことも少しずつ知っていくこと。

旅とは、知らなかった世界を見つけると同時に、忘れかけていた自分を見つけることでもあるのかもしれません。

おわりに

浦河で過ごした1週間は、私にとって、ただのインターンシップではありませんでした。

美しい景色に出会い、温かい人たちに出会い、たくさん笑って、いろいろなことを考えました。

そして、東京での生活の中でちょっと忘れた、自分らしい時間の過ごし方を思い出すことができました。

これからまた、忙しい毎日が始まります。

きっと悩むことも、焦ることもあると思います。

でも、何かに追われていると感じたときには、浦河の景色や、そこで出会った人たちのことを思い出したいです。

8月14日の朝、空港へ向かう道で聴いていた宇多田ヒカルの「time will tell」。

半年後の自分がどこで何をしているのか、今はまだわかりません。

それでも、以前より少しだけ、未来を楽しみにできるようになりました。

Time will tell.

浦河で出会った皆さん、本当にありがとうございました。

皆さんと一緒に過ごした時間は、きっと一生忘れません。

またいつか、浦河に帰ってきたいです。

そのときも、きっとカメラを持って。

Back arr

Contact