新木造住宅技術研究協議会(新住協)の第12回通常総会・全国研修会に参加してきました。
1日目は、鎌田紀彦先生の基調講演と、会員のみなさんによる事例発表。2日目は、札幌近郊の建物を巡る見学研修ツアーです。
今回も、新しい技術を知るだけではなく、全国の仲間が何を考え、どんな挑戦をしているのかを聞くことができました。そして、自分たちの仕事を振り返る時間にもなりました。
鎌田先生の基調講演は、「全棟Q1住宅レベル3」をどう設計し、どう現場でつくるかというお話でした。
作品コンクールに提出された計算には入力ミスも多く、目標とする性能に届いていない例もあったそうです。これは耳が痛いです。どれだけ高い性能を掲げても、計算や施工が正しくなければ、その通りにはなりません。
壁、床、屋根のつくり方や断熱材の選び方など、話は細かなところまで続きました。その中で僕が持ち帰ったのは、やはり「基本を丁寧にやる」ということです。
そして、性能とコストの両方を考えるうえで、一番効くのは材料の選び方よりプランニングだという話も印象に残りました。建物をコンパクトに、素直につくる。これは、すぐにウチの仕事へ持ち帰りたいところです。
武部建設さんからは、三笠市で建設中の新事務所について発表がありました。
道産材や古材、土壁、木質系断熱材を使い、古民家再生で培った経験を新しい建物へつないでいます。北海道の気候の変化を見据え、放射冷暖房にも挑戦されていました。
僕が面白いと思ったのは、室内をどこも同じ環境に整えるのではなく、「ゆらぎ」も楽しむという考え方です。
数字だけで良し悪しを決めず、実際に働く社員のみなさんの声や温湿度を測りながら、次の仕事へつなげていく。完成が終わりではなく、そこから確かめていく姿勢に学ぶものがありました。
須藤建設さんからは、CLT住宅、既存住宅の断熱改修、新事務所という三つの事例が紹介されました。
初めて取り組んだCLT住宅では、事前に細かな部分まで決めておく難しさや、施工中に起きた不備への対応も、失敗談を含めて率直に共有してくださいました。うまくいった話だけではないからこそ、聞く側にも残ります。
断熱改修や新事務所では、補助金も上手に活用しながら、新しい工法や設備への挑戦を形にしていました。
新しい工法も補助金も、それ自体が目的ではありません。自分たちがつくりたい建物のために、どう使うのか。制度を調べ、実際の仕事に落とし込む行動力が印象に残りました。
講演のあとは、1テーブル9名ずつに分かれてディスカッションです。その日の講演で感じたことや疑問を話し合い、講演について質問をする時間もありました。
最後に、各テーブルから出た質問に答える場面では、鎌田先生からゲキが飛ぶこともありました。聞くだけでは終わらない、大変有意義なディスカッションだったと思います。
聞いたことを、その場ですぐに自分の言葉でアウトプットする。学びを定着させ、実践につなげていくための試みです。札幌支部では、普段の例会でもこの形で行っているそうです。
最近、僕自身もアウトプットの大切さを体感しています。聞いて終わりにせず、自分の言葉にするところまでやって、やっと実践につながるのだと思います。
そして、その後の懇親会も同じメンバー、同じテーブル。これがとても良かったです!ディスカッションからそのまま話が続き、いろいろなお話をさせていただきました♪
懇親会では、新住協のレジェンド4名が登壇。翌日のツアーでは、それぞれのバスに乗って、いろいろなお話をしてくださるとのことでした。明日がますます楽しみになりました♪
2日目は見学研修ツアーです。4つのコースの中から、僕は三五工務店さんのツアーに参加しました。
三五工務店さんの「山郷Villa」に伺って、直接説明を聞ける!と思い、即決でした。
バスの中では、三五工務店の田中会長から、新住協との関わりや黎明期のお話、これまでのチャレンジや考え方まで、たくさんのお話を聞くことができました。
やってみなきゃわからない
なんでもすぐにやってみる
情報が入ってくる失敗はあるけど、面白いとなる
現状の延長線上に未来はない
一つひとつの言葉が、今の僕に重なりました。
僕は勝手に、「自分がやってきたことは間違っていない。まだまだ途中だから、頑張ろう!」と、自分自身への後押しとして受け取りました。たくさんの活力をもらいました。
見学した物件や「山郷Villa」からは、まちづくりのひとつの形も見せていただきました。
浦河のマチや周辺のチイキでも、小さく始められる方法はないか。人や場所のつながりを生かして、何かできないか。そんなことを考える、新しいアンテナが立ちました!
今回の学びを振り返ると、共通していたのは「まずやってみて、確かめて、次へつなげる」という姿勢だったように思います。
計算も施工も、基本を丁寧にやる。新しい素材や制度も、目的に合わせて使ってみる。完成したら、数字や使う人の声を確かめる。そして、失敗も含めて仲間と共有する。
「現状の延長線上に未来はない」という田中会長の言葉が、最後にもう一度浮かびました。
僕も、まずは足元から。ウチの設計や施工に今回の学びを一つずつ戻しながら、浦河のマチや周辺のチイキで、小さく始められることを考えていきます。
大会全体を通して、札幌支部のみなさんの設えが素晴らしく、スムーズで学びの多い大会となりました!ありがとうございました。おつかれさまでした。
本当に善き学びの旅でした♪