東京で一人暮らしをしていると、毎日大勢の人とすれ違います。満員電車、交差点、コンビニ。人に囲まれているのに、誰とも繋がっていない感覚が、いつの間にか当たり前になっていました。
浦河町に来て、最初に驚いたのはそこでした。初めましての人が普通に挨拶してくれる。目が合えば笑いかけてくれる。それだけのことなのに、東京では忘れていた何かを思い出した気がしました。
【神馬さんのこと】
神馬建設のインターン生として浦河町に招いてくれた神馬さんは、不思議な人でした。建設を学んでいるわけでもない、これと言って審査があるわけでもない。それでも受け入れてくれて、直接会社の利益にならないことに時間を使ってくれる。なぜそこまでするのか、最初は正直わかりませんでした。
神馬さんの言葉はいつも利他的で、飾らない。自分のことより、関わる人のこと、マチのこと、未来のことを話している。淡々と話す中に、どこかロックな経営者の顔が見えたり、聖人のような佇まいが垣間見えたりする。関わった多くの大人が神馬さんを尊敬しているのが、話しているうちに伝わってきました。
インターンが終わったあと、神馬さんから長文のフィードバックが届きました。背中をトンと押してくれるような言葉で、読みながら神馬さんの笑顔が思い浮かびました。
【大久保さんのこと】
ゲストハウスのオーナー大久保さんは、新千歳空港まで迎えに来てくれました。初めて会う人なのに、帰り道に温泉に寄ってくれて、気づいたら緊張がほぐれていました。
毎日顔を合わせるたびに元気な挨拶と、たわいもない話をしてくれる。朝から晩まで動き回っているのに、疲れを感じさせない。夜、ゲストハウスに帰ってきて軽トラサウナが稼働しているのを見ると、なんだかホッとしました。自分でも驚くくらい、自然と安心できる場所になっていました。
どんなことでもやってのけてしまって、人を構い、人に愛されながら生き生きとしている。その姿がずっと続いてほしいと思いましたし、またいつか大久保さんのラーメンを食べに行きたいです。
浦河町には、他にも暖かい人たちがいました。交流会を開いてくれた役場の方々、馬とともに生きる人たち、銭湯でただ世間話をしてくれたおばあちゃん。
特別なことは何もないけれど、その時間がずっと残っています。
地元ではないけど地元のように、ご近所さんのように関われるマチがあることを知れたのは私にとって大きな経験です。