神馬さんのキャリアの話の中で、「giver・taker・matcher」という考え方が紹介された。これは、人の思考や行動の傾向を三つに分類したものであり、giverは「人に惜しみなく与える人」、takerは「自分の利益を優先する人」、matcherは「損得のバランスを考えて行動する人」を指す。この考え方は一見単純であるが、これからの社会でどのように人と関わり、どのように成長していくかを考える上で非常に重要な視点であると感じた。
テキストには、現代社会は変化のスピードが非常に速く、その変化に対応するためには自らも変化し続けなければならないと書かれていた。そして、そのためには幅広い視点や思考が必要であり、それを支えるのが「つながり」であると述べられていた。自分一人では判断できないことや時間がかかる問題に直面したとき、信頼できる相談相手がいることで、よりよい選択が可能になる。そのような関係性の中で、自分から積極的に「GIVE」を行うことで、相手からも「GIVE」が返ってくる可能性が高まり、結果として自分自身の成長にもつながるという点が印象的であった。
もしtakerのように受け取ることばかりを考えてしまうと、周囲からの信頼は徐々に失われ、関わることのできる人も限られてしまう。その結果、新しい機会や学びも減少し、成長は停滞してしまうだろう。また、matcherのように常に損得のバランスを考えて行動すると、一つ一つの「お返し」はどうしても小さくなりがちである。その積み重ねは、結果として自分の可能性の幅を狭めてしまうことにつながる。だからこそ、多くの人と関わりながら自己成長をしていくためには、まず自分から与える姿勢、すなわちgiverであることが重要であると学んだ。
今回の神馬建設での春のインターンシップでは、私は多くの「GIVE」を受けた。まず印象に残っているのは、滞在中の食事である。神馬さんは10日間の中で、浦河町のさまざまなおいしい飲食店に連れて行ってくださった。それだけでなく、まさごの店主の方や地域おこし協力隊の方、役場の方など、多くの地域の方々にもお世話になり、浦河の食や文化に触れる機会をいただいた。これらは単なる食事の提供にとどまらず、地域の魅力を伝えようとする思いのこもった「GIVE」であったと感じている。
さらに、ゲストハウスでの交流も大きな学びとなった。今回のインターンシップやワーキングホリデーには、主に大学3年生や4年生が参加しており、彼らと日常的に会話をする中で、普段の生活や将来の進路、興味関心について多くの話を聞くことができた。学年が上がるにつれて経験値が増し、将来をより具体的に考えている姿はとても刺激的であった。特に印象的だったのは、自らプロジェクトを立ち上げ、実行している学生の存在である。その人は、自分の問題意識や関心から行動を起こし、周囲を巻き込みながら活動を進めていた。その話を聞いたとき、同じ大学生でもここまで主体的に動いている人がいるのかと驚きと新鮮さを感じた。
また、Vlog制作の過程では、株式会社Gaikaの方々からのサポートも受けた。スナックでの交流の場において、自己紹介とともにこれまでの経験や価値観について話していただき、その内容は非常に印象深いものであった。21歳という若さで起業し、困難な状況も経験しながら前に進んできた話には説得力があり、自分自身の生き方を考えさせられた。さらに、仕事に対する考え方として、自分の利益だけでなく社会全体への貢献を重視している姿勢にも強く心を動かされた。
このように、浦河町での経験を振り返ると、数えきれないほどの「GIVE」を受けていたことに気づく。だからこそ、これからは自分自身も積極的に「GIVE」をしていきたいと強く思うようになった。そのために大切だと感じたのは、日常の中にある小さな「GIVE」に気づき、それに対して感謝し続けることである。家族や友人との関係においても、自分が受け取っているものは決して当たり前ではない。その一つ一つに目を向け、感謝する姿勢を持つことで、自然と自分も誰かに与える行動ができるようになるのではないかと考える。
今後は、今回受けた多くの「GIVE」を忘れることなく、自らも周囲に対して価値を提供できる人間になりたい。そして、さまざまな経験を積み重ねながら、いずれは浦河町で出会った方々のように、自分の経験や学びを他者へとつないでいける存在になることを目標としたい。