この会議には浦河高校の生徒だけでなく、町民の方々、そして私たちワーキングホリデー参加者を含めた総勢33名が集まり、世代や立場を超えて浦河町の未来について話し合った。
ワークショップは、参加者が普段の肩書きを外し、「町民A」「町民B」といったカードを用いて対等な立場で意見交換を行う工夫がされていた。この設定により、高校生と大人という関係性にとらわれず、率直な意見が飛び交う雰囲気が生まれていた。はじめにアイスブレイクを行ったことで場の緊張もほぐれ、その後の議論は非常に活発なものとなった。
ワークショップでは、まず浦河町の良いところ(good)と課題だと感じるところ(bad)を付箋に書き出し、それをもとに「どうすればより良くなるか(more)」を考えた。最後には、理想の町の施設をグループごとに絵として表現するという流れで進められた。
私は浦河町に来てまだ3日ほどだったため、それまでにも色々と浦川について紹介されたが、観光者に近い視点でしか町を見ることができていなかった。そのため、自分の地元や、以前ワーキングホリデーで訪れた富山県魚津市での経験と比較しながら意見を出すように意識した。しかし、議論を進める中で、町民の方々の浦河町に対する思いの強さに圧倒された。
例えば、「野菜がおいしい」という意見が出た際には、「味が濃い」「新鮮で他とは違う」といった声が次々と上がった。また高校生が熱を込めて語る姿が印象的だった。また、「本屋がない」「交通が不便」といった課題も多く挙げられたが、それらを単なる不満としてではなく、「現状どのような点が問題で、どうしたら解決できるか」という前向きな議論につなげていた点が非常に特徴的であった。課題が多いにもかかわらず、終始明るく楽しそうに話し合う雰囲気があり、このような活気があれば町はまだまだ可能性を持っているのではないかと感じた。
一方で、浦河町が抱える課題の根本には人口減少があるという意見も多く出た。後継者不足による商店の減少や、交通機関の縮小など、さまざまな問題が人口減少と密接に関係していることが改めて認識された。しかし、私はこの「人口の少なさ」は必ずしもマイナスだけではないと感じる。
実際に生活してみると、浦河町では人と人との距離が非常に近く、地域の中でのつながりが強いことを実感した。今回の未来会議だけでなく、「うらふる隊」や教会、べてるの家、まさご湯といったさまざまな場所でコミュニティが形成されており、人々が互いに関わりながら生活している様子が見られる。特にうらふる隊は、卒業した後も関わり続ける人がおり、世代を超えて思いが引き継がれている点が印象的であった。このような継続的な関係性は、大都市ではなかなか得られない浦河町ならではの強みであるといえる。
また、若い世代も地域に対して主体的に関わっている点も大きな特徴である。高校生が自ら町の未来について考え、発言し、行動している姿は、地域の持続可能性を考える上で非常に重要な要素であると感じた。
以上のように、浦河町には人口減少や交通の不便さといった課題がある一方で、人と人との距離の近さや強いコミュニティ、そして地域に対する熱い思いといった大きな強みが存在している。今後は、これらの強みをどのように活かし、外部の人との関係性を築いていくかが重要になると考える。
浦河町の海や山、そして馬といった自然資源に加え、人のつながりという無形の資源を大切にしながら、それらを次世代へとつないでいくことができれば、町の未来はより明るいものになるのではないだろうか。今回の浦高生超未来会議は、その可能性を実感する貴重な機会であった。