神馬建設の2026年春のインターンに参加しました。大学で建築を学んでいます。山口です。
私たち神馬建設のインターン生は、浦河にあるゲストハウスまさごで生活を送りました。建築を学ぶ学生として、この場所での滞在は単なる宿泊にとどまらず、「人が集まる空間とは何か」を体感する貴重な機会となりました。
まさごの1番の特徴は、そのユニークな構成にあります。2階がゲストハウス、1階にはお風呂とラーメン屋が入っており、宿泊・食・入浴という生活の要素が一体となっています。この構成によって、宿泊者だけでなく地域の方々も自然と集まり、建物全体がコミュニティのハブとして機能していました。一階のお風呂は特に重要なコミュニティの場でした。地域の人のサードスペースがお風呂という毎日使う場所になっていることで、WBCの結果や浦河に住むおばあちゃん達の健康状態や流行っている健康法、さらには「このあとまさごのラーメンを食べていくか」といった何気ない会話まで、浦河の今の暮らしを知ることができました。まさに「地域に開かれた空間」です。宿泊者と地域住民が同じ湯船につかることで、世代や立場を超えた交流が生まれていました。観光施設ではなく、生活の延長としての場であることが、この場所の魅力をより深いものにしていると感じました。建築的に見ても、「用途の重なり」が人の流れや関係性を生み出している点が非常に興味深かったです。
宿泊者の多様性も印象的でした。学生インターン生、ワーキングホリデーで滞在している方、仕事で浦河を訪れた方、さらには海外からロードバイクで旅をする観光客など、バックグラウンドも目的も異なる人々が同じ空間で生活していました。こうした多様な人々が一つのリビングに集まり、自然に会話が生まれる環境は、ゲストハウスならではだと感じました。
私自身は学生インターンという立場だったこともあり、同年代のインターン生やワーホリの方と特に親しくなりました。朝起きるとリビングに集まり、「今日何をするの?」「美味しいおすすめのご飯屋さんある?」といった会話や朝ドラを一緒に見るところから一日が始まります。この何気ない時間が、普段の1人暮らしの大学生活にはない温かさを与えてくれました。私はゲストハウスに泊まったのが初めてでしたが、普段関わらない分野の人が多いため、知らない世界の話が面白く、新鮮な生活でした。
その生活の中で、「偶然の出会い」が多くありました。リビングでの雑談や、共有スペースでの何気ない行動がきっかけとなり、人と人との距離が縮まっていきます。例えば、あるワーホリの方が筆ペンで写経をしている姿を見かけたことがきっかけで、私も興味を持ち、実際にやってみるようになりました。書いてる内容はよく分かっていませんでしたが、スマホを使わずにただ見本の通りに漢字をひたすら書くという作業が思ったより自分にはまり、新たな趣味を発掘できました。このように、他者の行動が自分の新しい興味へとつながる環境がゲストハウスには自然に存在していることを実感しました。
また、まさごにはシマエナガの絵やイラストがたくさん飾られており、その愛らしさに癒やされる日々でもありました。さらに、まさごのオーナーさんに朝の山さんぽへ連れて行っていただいた際には、実際にシマエナガを見ることができました。普段空間の中で目にしていた存在に、現実の風景の中で出会えたことはとても印象的で、強く記憶に残っています。こうした体験から、浦河では地域の魅力と実際の体験が密接に結びついており、空間にある小さな要素ひとつひとつが、より豊かな意味を持ち始めるのだと感じました。
このように、ゲストハウスまさごでの生活は、人と人との関係性が自然に育まれる環境の中にありました。建築的な仕組みと運営の在り方が見事に結びつき、空間そのものがコミュニティを生み出している。そんな場所で生活できたことは、今後建築を学ぶうえでの大きな糧になると感じています。