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浦河町ワーキングホリデーを通して考えたこと

浦河町ワーキングホリデーを通して考えたこと

今回のワーキングホリデーで浦河町に滞在して、私はこの町の特徴や魅力について改めて考える機会を得た。浦河町は新千歳空港から車で2時間以上かかり、電車も通っていない地域である。海が近く、山も近い自然豊かな町であるが、観光地としての派手さはあまり感じられない。例えば、観光地でよく見られるような大きな道の駅はなく、鮮魚店も小規模なものが多い。また、飲食店についても「安くておいしい」と言われることが多いが、特別に安いわけではなく、確かにおいしい店は多いものの、同じようなおいしい飲食店は他の地域にもあるように感じた。そのため、最初は浦河町は観光地としてはあまり向いていないのではないかと感じた。

しかし、滞在していくうちに、浦河町は「観光地」というよりも「暮らす場所」としての魅力が強い町なのではないかと考えるようになった。その理由の一つが、自然との距離の近さである。浦河町では海がとても身近にあり、町から見える海は広い水平線が広がり、とても美しい。私の地元にも海はあるが、それと比べても浦河の海は特にきれいだと感じた。また、海辺では釣りをしている人を多く見かけ、海が日常生活の一部として存在していることを実感した。さらに、町のすぐ近くには山も広がっており、春には山菜を採ることができ、秋にはキノコも採れると聞いた。自然が単に「見るもの」ではなく、「生活の中で関わるもの」として存在している点が印象的だった。

また、浦河町では多くの動物を身近に感じることができる。牧場のサラブレッドはもちろんのこと、シマエナガやフクロウなどの鳥、鹿、リスなどの野生動物を見る機会もある。このように多様な生き物と共存している環境は、都市ではなかなか体験できない魅力であり、自然とともに暮らしている実感を強く持つことができる。

さらに印象的だったのは、人と人との距離の近さである。私は滞在中、毎日「まさご湯」という銭湯を利用していたが、そこでは地域の人たちが自然に会話を交わしている様子が見られた。例えば、おばあちゃんたちが「今日は遅かったですね」と声をかけたり、「おやすみなさい」と言って帰っていったりする光景があり、銭湯の中で自然とコミュニティが形成されていることを感じた。また、町にある映画館である大黒座で映画を見た際にも、上映後に観客同士が挨拶をしている場面があり、地域の人々のつながりの強さを感じた。人口が少ない町だからこそ、人と人との関係が密であり、地域の中で互いに顔が見える関係が築かれているのだと思う。

このような環境は、一人での移住や家族での移住を考えている人にとっても魅力的なのではないだろうか。自然が身近にあり、地域の人々との関わりがある生活は、都市では得られにくい価値である。また、もし移住者が増えることができれば、町全体の活気につながり、飲食店や商店の後継者不足などの問題の解決にもつながる可能性がある。

そのため、浦河町をより元気にしていくためには、「観光地として多くの人を集める」というよりも、まず町に来てもらい、その良さを実感してもらったうえで「住む場所として選んでもらう」という流れが重要なのではないかと考えた。つまり、浦河町の魅力を体験してもらい、将来的な移住につなげていくような取り組みが必要である。

町に来てもらうための要素としては、いくつかの強みがある。その一つが牧場である。浦河町には多くのサラブレッドが飼育されており、乗馬体験などをすることもできる。馬と触れ合う体験は都市部ではなかなかできないため、これをイベントとして発信することで、他の地域から人を呼び込むきっかけになるのではないだろうか。もう一つは山の魅力である。例えばアポイ岳のように、比較的登りやすく、山頂から美しい海を眺めることができる山は珍しい。登山と海の景色を同時に楽しめる点は、浦河町ならではの魅力だといえる。

浦河町は確かに交通の面では不便であり、いわゆる観光地のような華やかさはない。しかし、その分、自然の豊かさや人の温かさといった魅力が日常の中にある町である。だからこそ、この町にある魅力を活かし、それを外に向けて発信していくことが重要であると感じた。今回のワーキングホリデーを通して、浦河町は単に訪れる場所というよりも、「暮らすことで価値がわかる町」であると強く感じた。

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